タレントの稲村亜美さんが日本代表に選ばれたことで注目を集めているベースボール5(5人制野球)とは何なのか、まだ聞きなれない人も多いのではないでしょうか。
5人制でやる野球をベースにしたスポーツですが、本家とはかなりルールが違ってきます。
世界大会まで開かれているこのベースボール5(5人制野球)ですが、この競技の基本的なルールや歴史などをこの記事でまとめていきたいと思います。
ベースボール5(5人制野球)とは何?
ベースボール5(5人制野球)とは文字通り5人でやる野球ということになりますが、通常の野球とはかなり仕様が変わってきます。
まずグローブ、バットは使いません。
ピッチャーもなしでゴムボールを自分でトスして手で打つというのが基本ということで、野球のようで野球でない競技という感じになるでしょうか。
以下ベースボール5の特徴を書き出していくのでなんとなくイメージが沸くかと思います。
- ホームベース、一塁、二塁、三塁とあって得点の形式などは普通の野球と同じ
- ピッチャーがいない
- 自分でトスとして手で打つ
- フェンスオーバー、フェン直はアウトとみなす
- 1イニング3アウトで5イニング制
- 8人までの選手登録で男女混合が必須
- 塁間13メートル、フェアゾーンが一辺18メートルのスクエア
- ボールが84.80gの100%ゴム製
- ファースト、セカンド、サード、ショートの他にミッドフィルダーという二塁付近を守るポジションがある
- 3m四方のバッターボックスで、助走をつけて打つのOK
- バントのようなボテボテでボールが止まってしまうようであればアウト
- 打ったボールがバウンドするまでにボックスから足が出たらアウト
- 空振りやファウルは即アウト
- 塁上でのリードは禁止
ザっと書いていくとこんな感じです。
スペースが狭く野球のように策越えのホームランのようなものがないので、力があれば有利というわけではないということで、子供から女性まで幅広く楽しめるスポーツになります。
実際に試合をしている動画を観た方が早いかもしれません。
力まかせに打っても意味がないというところが頭を使ったりして、野球とは全く違う攻め方になるのかと思います。
ユース五輪の正式種目にも選ばれているようで、まずお金のかかる道具(グローブ、バットなど)がいらないというのが世界的にも普及していく可能性を秘めているのではないでしょうか。
ベースボール5の歴史は?
ベースボール5のはじまりはキューバの人達が街で遊んでいた手打ち野球が原点と言われています。
それを世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が2017年にベースボール5として発表し、アフリカなどまだ野球が普及していない地域での振興活動として使われているようです。
道具がゴムボールだけでできるということで、サッカーのように全世界で広まっていくことを期待されており、2026年のダカールユースオリンピックでは正式種目に選ばれています。
稲村亜美さんが何故日本代表に?
ベースボール5のアジア大会が今年の8月にマレーシアのクアラルンプールで行われるのにあたって、日本代表を決める大会が開かれていました。
野球のように代表を選抜してチームを作るということではなく、勝ったチームがそのまま代表になるという形式(カーリングのような形)をとっているようです。
そこに参戦したのが普段は軟式野球をやっている東京ヴェルディ・バンバータが母体のチーム。
男女混合がルールなので東京ヴェルディ・バンバータの熊本浩志監督がラジオで野球経験者の稲村さんと知り合い、本人の希望もあってチームに参加し今回の大会に臨むことになったようです。
女性は稲村亜美さんの他にソフトボール元日本代表長崎望未さんも参加。
2022年7月17日に行われた大会で埼玉の5STARsを決勝で破り、稲村亜美さんのチームが日本代表の切符を手にしたという流れになります。
長崎望未さんのユーチューブチャンネルで事前の練習風景を観ることができます。
第1回WBSC-ASIA Baseball5
アジアカップ日本代表決定戦優勝しましたーーーー🏅🏅🏅
チームの皆さんの懸命なプレーや会場にいた応援してくださる皆さんのお陰で勝利できました!!!
本当にありがとうございました!
未だに自分が日本代表になったのが信じられないくらい現実味がないです🥺 pic.twitter.com/8gPBNZpkES— 稲村亜美 (@Inamuraami) July 17, 2022
稲村亜美さん本人も悦びをツイートしています。
ただ忙しいタレントさんなのでマレーシアの大会に出れるスケジュールの調整は大丈夫なのか、そこが心配です。
アジア大会(WBSC-ASIA主催の第1回 Baseball5 アジアカップ)を勝ち進めればその先には11月にメキシコで開催されるワールドカップもあるようで夢は広がります。
アジアカップには9ヶ国が出場し、上位3位以内に入ればワールドカップの出場権を獲得できるようなので、可能性はあるのではないでしょうか。
即席のチームで日本代表を勝ち取ってしまうというタレントパワーを感じます。
8月以降のベースボール5日本代表の動向に注目です。